失くしたもも

立ち成分献血センターにてコップに入った粒々の成分を眺めている。 透明のキレイな粒々入りコップの下にはリスト。 ガラス窓の向こうをメリーポピンズみたいな格好をした 幼い顔の女がコマ送りで歩いている。 リストに載っている名は「ももいクモ」 帽子を被…

かつおの思い出

かつお(あだ名)がかつおのセーターを着て登場。 私はいつのまにかかつおのモノマネが上手くなっていて かつおを囲む会は和やかに終わった。 担当者が変わって、新しくやってきたのは「柔頭」さん。

元帝逆首度

旗が翻る。 旗には 「元帝逆首度」の文字の下にアリクイのような動物のマーク、 「ストラクター制の山」「丸腰し」と書いてあった。

泥の身分

湿度の高い宮殿の地下を歩いている。 廊下の所々に水たまりが出来ていた。 少し広まった廊下の壁に3つのすりガラスが掛けられていた。 1つ目の前に立つと、すりガラスはぼんやりと七色に光った。 2つ目の前に立つと、すりガラスは光りながら波打った。 3つ目…

巨木が見たいだけ

草原に立つ何本もの巨木は枝同士が繋がっているという世界遺産。 それはここから見える高架の向こうにあるらしい。 その方向からサクラの軍団がやってくる。 マンションの一室に死体があることがわかっているが 知らないフリをして中に入る。 顔だけ出して濡…

さて、オムニバス

【第一部】駅からジムに続く道を「モッソーじいさんグループ」のパレードが過ぎる。モッソー青年と、彼を囲むおばあちゃんのグループが レースで飾られたジム目指して進むパレードのお話。 【第二部】封書の3分の2を赤ペンキで塗りたくる先輩の動きはまるで…

現実世界町内

文字が迫ってくるのでブログが読めなくなっていた。 近所の小さな犬は病気で大きくはなれないらしい。 手術をして帰ってきたら掌サイズになっていた。 バスを待つ間、犬のことについて話し合った。 2人が空中に「NUM」「INT」とメモ書きをした。 同じことを…

陸続きの楽園

「RPG中は薄目」が暗黙の了解となっているので、 終了した後もしばらくは目の周りの筋肉が引きつっていた。 ここはどこかというと、おそらく「亀ハウス」 漫画で見るよりこじんまりとした佇まいだった。 RPG中はよく見えていないからひたすらに緑色を目指し…

坊主実体無し

カーテンの掛かった縁側から川を挟んで向こう岸の風景を見ていた。 頭を下げる二人の大人の前で坊主が踊っている。 その坊主が泣きながらお経を唱え始めた。 すると縁側のカーテンと窓が全開のまま、 列車が走り出すように風景が流れていった。

追い越し症候群

ボロボロの扉に室内は階段だけの部屋に引越す。 明け方の空から巨大缶ペンケースに入った家具がやってくる。 缶ペンケースの柄が黒地にドラキュラなのが気に入らない。 とろけたケーキにろうそくを立てて 窓の外の集団下校を見つめる。 さあ、ここから通うの…

その異物

朝になってもずっとパーテンションに囲まれたままだった。 一日のパーテンション量が現実と上手くかみ合わない。 誰かがそれを溜め込んでいる。 パーテンションにたくさんの四角を書き込んで、 扉が出来るのを待っていたが、 扉が出来てもそこからは出ないつ…

キツネのお面よりも速く

キツネのお面展覧会会場の隅で、 おまけ程度の「矢印看板の未来展」も開催されていた。 大賞を受賞した作品はこんぶを手で千切った矢印だった。 受賞の理由は「未来にこんぶという発想は我々の盲点だった!」 ということ。 「我々審査員は目の前の、新しい矢…

うずくまったパーティ

パーティが終わって、山に登った。 山は全て人の頭でできているのだから 登りにくい山の人は坊主をやめて髪を伸ばすべきだ。 どうして山は坊主と決まっているのだろう。 そんな決まりはほんの50年前まではなかったはずだ。 私の頭の上に人の気配がする。

誰かのブラックボックス

ライブを見ていたら、 頭上左からカセットテープ大のものが飛んできた。 右側の空中にカチっとはまり、そこに留まる。 2時間のうちに何度も同じことが起こった。 右側に溜まったそれは安定して在り続ける。 ポケットにつっこんだまま右手を握ると それを掴ん…

前田に沈む仏像

「前田」という海はピンクと緑の波でできていて 底には銀色の仏像が沈んでいる。 仏像の周りには真珠や貝がプカプカと浮いているため まるでヴィーナス像みたいに見える。 前田に行けば、私たちはいつでも仏像を見ることができる。

魔王たちは同級生

胸の辺りから猫が生えてきた。 まだ顔半分しか生えていないが 顔がこちらを向いているので撫で放題だ。 眉間を毛の流れに沿って撫でると、目を細める。 とても可愛い。 けれど、このまま猫が一気ににゅーっと足まで生えて 地面に降り立ってくれれば良いが、 …

謎がとろける

1階部分の屋根が50階ほどの高さにあるビルの2階は 茅葺屋根の古めかしい民家になっていた。 そこに10人兄弟は住んでいる。 1階と2階を繋ぐ階段はないので 茅葺屋根から吊るされたひもで移動しなければならない。 彼らはまるで重力などないかのように ふわふ…

早急に自覚したい

車の中で不本意なバランス取りを。 右側では妖怪パレードが行われているが見ない。 今日はナイキ休みなので後ろの宿泊所で休むと言う。 なんだこれは。 妖怪をなぞるけれど、妖怪に非ず。

3つ数えてテケテケドン

テケテケの7つのお祝いに村の恐竜たちが集まっていた。 首が長すぎて洞穴に入りきらなかった恐竜の顔が 山の麓にのっかっていてお月様のようだ。 テケテケは将来『帽子薬局』の社長になる。 生まれたときからゆっくりと年をとって 平成になってやっと大人に…

繰り出す思い出

このプレッシャーを飲み込むための道具を探して もうどれくらい経ったのだろうか。 喉下にずっとい続けるプレッシャー弾。 手に水かきのついた人がずっと前に言っていた 「おいしい水と空気の絵が描いてあるロックンロールTシャツ」 さえあれば、きっとすぐ…

ロフトフロ

室内プールのようなワンルームで上を見上げている。 レールに吊るされたビニール風呂に入るには ひもでビニール風呂を押して ドアの方に移動させて飛び込むしかない。 湯加減はいいのだろうか。

形態記憶の現在

背中が溶けて形が歪んでしまった。 背負っていた犬もいつの間にか逃げていた。 溶けて地面に馴染んだかつて背中だったそれはほんの少しでも 背中を構成する大事な要素だったのに。 元の背中にはもう戻れないとしたら、背中を切り離すしかないのか。 切り離し…

醜さとかにも

暗闇の中、板チョコレートに乗って水の上を漂う。 さっきからずっと両眉の上に何かが刺さっている。 耳の後ろが痛いので深く刺さっているのだろうか。 何が刺さっているのか目をつむって考えようとしたけれど 丸坊主の自分が正座している姿が浮かんできてう…

今週の全自動

綿菓子の上に軽自動車の助手席が乗っている王国では 白衣を着た大女がブリッジをしてアーチ代わりになっている。 そのアーチをくぐって王様に挨拶に行く。 宮殿は人と布でごった返していた。 入り口が3階だったので、王様のいる地下まで降りようとしたが 宮…

内臓の見た夢

バケモノ来襲。 寺と寺を繋ぐ地下道に我々は一旦避難した。 地下道の向こうから「ギャー!」と叫び声がして、 キョロキョロと辺りを見回す人が見えた。 そして「今だ」とばかりに数人が担架を担いで通りすぎた。 「あれは一体?」と近くにいた人に聞いた。 …

憧れの崖

朝方の堤防を歩いていると話し声が聞こえてくる。 空がスピーカーになっていて、 どこかの家庭の会話が降り注いでいた。 早く親子の会話を止めなければ。

キミの武器はなんだい?

小雨の降る朝方のスーパーの駐車場。 忘れ物を取りに行くと、駐車スペースに鳥居がハードルのように等間隔に並んでいた。 その鳥居に青年が布を掛けて歩いている。 予備の布が濡れた地面に置かれていて、その上に 乗っている小さな狸が「いっそげー!あ、ソ…

パロディ利用苦行

大雨で列島が二つに別れた。 大きな島から小さな島に船で行く。 小さな島には、高速道路の日陰と映画館しかない。 映画館はとても広いけれど、 座席は適当に転がされたゴムまり10個だった。 ある監督が撮った映画の続編を別の監督が撮って、 そのパロディを…

検定しますよ

鯉の頭から背中にかけてがゴソっとえぐれていた。 近くにいた人がその鯉に消毒をしていたがきっともう無理だろうと思う。 鯉の流れ行った方を目指して歩いていると 主婦と子供たちが新聞を読んでいた。 「子供にも手の届くカメラ!」というコピーとともに 「…

いつか飛んでやる

お座敷で会った二人の妙齢の女性に 「あなたは来年の9月で終わる」と言われる。 二人に言われたことが恐ろしかったので 「今日を逃したらもう無い」と魚の占い師の元へ。 自転車に乗ったは良いが空気抵抗がありすぎて全く進まない。 結局、魚の餌を買っただ…