キツネのお面よりも速く

キツネのお面展覧会会場の隅で、
おまけ程度の「矢印看板の未来展」も開催されていた。


大賞を受賞した作品はこんぶを手で千切った矢印だった。
受賞の理由は「未来にこんぶという発想は我々の盲点だった!」
ということ。


「我々審査員は目の前の、新しい矢印ということばかりに
気を取られて、矢印の本質をすっかり忘れていた!」


なんて言いながら審査員の人たちはこんぶの矢印に感動したのだろうか。


こんぶに未来を託す矢印看板の世界が永遠でありますように。