方向なんて高級品

消えたさる吉くんの残したメッセージをりす山さんが見せてくれると言った。


大雨の中、二人で梯子を登り屋上に出た。
りす山さんは持っていた寝袋を袋から出し、地面に置く。
「この角度から見るの」と言って地面に寝転がった。


丸まったままの寝袋のしわをよく見ると
「ごる」という平仮名に見えなくもない。
  

「ごる」ねぇ。