途切れ何重奏

「さあ今から音も無くこの池に飛び込むのだ、と思った瞬間に自分になって
 つまりそれまでの記憶は誰かの元にあるということなのだから
 それは当然なのだけど、右を見て左を見て右を見て左を見ても
 自分の足跡がどこにもなく途方に暮れるという作業をキミなら出来ると思う」


上記のセリフを言ったのが、自分なのか、それ以外なのか
皆目見当が付かないまま、池の前でたくさんの人と正座をしていた。