2005-03-24 ねずみ音頭 40センチ四方の木箱に乗って旅に出ることに決めた。 ゆっくりと線路の上を走る木箱は町中の人たちには どうやら違和感が無いようで、皆普通に傍を歩いている。 木箱の走る線路は白いねずみで出来ていて、 進むたび、ねずみが「うげっ」と言ってつぶれていく。 後ろを振り返るとつぶれたねずみたちが 車輪の形にへこんだまま、柔和な顔をしている。 耳を澄ますとねずみたちは何か会話を交わしていた。 つぶされることに甘んじているねずみたちに何と言っていいのか、 つぶしながら考えながら、うげうげの音頭と共に旅は続く。