魔王たちは同級生

胸の辺りから猫が生えてきた。


まだ顔半分しか生えていないが
顔がこちらを向いているので撫で放題だ。
眉間を毛の流れに沿って撫でると、目を細める。
とても可愛い。


けれど、このまま猫が一気ににゅーっと足まで生えて
地面に降り立ってくれれば良いが、
時間をかけて成長するような気がするのだ。


このままじゃ、お腹まで生えてきたあたりで
猫はぶらーんと反り返ってしまうではないか。

謎がとろける

1階部分の屋根が50階ほどの高さにあるビルの2階は
茅葺屋根の古めかしい民家になっていた。


そこに10人兄弟は住んでいる。


1階と2階を繋ぐ階段はないので
茅葺屋根から吊るされたひもで移動しなければならない。
彼らはまるで重力などないかのように
ふわふわと上り下りを繰り返した。


彼らは学校から帰ると毎日修行を積んでいるのだ。


ニュースキャスターである両親が家に帰ってくると
息子たちは茅葺屋根を突き破ってジャンプを繰り返し、
娘たちは窓に頭を打ち付けた。


いつか街ビルモンスターが現れたとき、
彼らの活躍が見れるに違いない。

早急に自覚したい

車の中で不本意なバランス取りを。
右側では妖怪パレードが行われているが見ない。


今日はナイキ休みなので後ろの宿泊所で休むと言う。


なんだこれは。


妖怪をなぞるけれど、妖怪に非ず。

3つ数えてテケテケドン

テケテケの7つのお祝いに村の恐竜たちが集まっていた。


首が長すぎて洞穴に入りきらなかった恐竜の顔が
山の麓にのっかっていてお月様のようだ。


テケテケは将来『帽子薬局』の社長になる。


生まれたときからゆっくりと年をとって
平成になってやっと大人になったテケテケは
恐竜の話は一切しない。


恐竜の歌も踊りも、大人になったテケテケは覚えていないのだ。
だけど子供の頃の話をしているとき、何故か無性に太鼓が叩きたくなる。
それをテケテケはずっと不思議に思っている。

繰り出す思い出

このプレッシャーを飲み込むための道具を探して
もうどれくらい経ったのだろうか。


喉下にずっとい続けるプレッシャー弾。


手に水かきのついた人がずっと前に言っていた
「おいしい水と空気の絵が描いてあるロックンロールTシャツ」
さえあれば、きっとすぐに飲み込めるのに。


目の前の標識には「プレッシャー受付⇒」と書いてあるけれど
弾の場合でも受け付けてもらえるのか。
しかしこれ、私は飲み込みたい。
いかがなものか。

ロフトフロ

tetunotou2006-01-13

室内プールのようなワンルームで上を見上げている。
レールに吊るされたビニール風呂に入るには
ひもでビニール風呂を押して
ドアの方に移動させて飛び込むしかない。


湯加減はいいのだろうか。